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2016年11月 2日 (水)

(33)「鋸草」(ノコギリソウ)

ノコギリソウ(鋸草)(キク科) 花期8月ごろ

 

名前の由来は、葉がギザギザとした切れ込みがあり、それがノコギリの刃を連想させるもの。

最北には、ノコギリソウとキタノコギリソウがある。

礼文には、それらに加えて少し小ぶりのエゾノコギリソウもある。

キタノコギリソウは、色の濃淡の差は大きく、真っ赤な花もある。

 

ノコギリソウの亜種シュムシュノコギリソウは利尻山の中腹以上の登山道にもある。

シュムシュは地名。千島列島最東端「占守島(シュムシュ島)」

 

「終らざる夏」(浅田次郎)を読んで、この花の名前の由来の島の 悲しい過去を知ることになった。

世が世であれば、日本国の領土として国立公園に指定されたかも知れない花の島。

戦争が終わり、兵士の遺品の中に「占守の夏」と書かれ、花の名前と その採取場所を書き留めていた捺花とノートが見つかった。

その花の名前の中に、シュムシュノコギリソウはなかったが、ハマナス、エゾトリカブト、コマクサ、チシマフウロ、イヌタデ、レンゲショウマ、チシマキンバイ 北方系のなじみの花の名前ばかりだ。

この人は、緊迫した占守島の日常、過酷な環境の中にいても 島じゅう咲き乱れる花に魅せられていたのだろうか。

まるで「花守り」であるかのような姿が目に浮かぶ。

それは、私の知っている「礼文島」のような、「利尻山の頂上」みたいな、いや、それよりもたくさん密に花がある島なのかも知れない。

その花の島での戦いが、日本がポツダム宣言受諾後の818日の未明であったこと、敵はアメリカを意識して英語通訳要員も用意していたのに、ロシアであったこと。

「終らざる夏」は、国民の誰もが「知られざる夏」であった。

それが、もう、すでに私が生まれていた71年前のことだなんて、信じられない。

 

この本を読んでから、この花を利尻の頂上で何気なく撮っていたことを 嬉しく思った。

もう私は、年齢的にも体力的にも この花を撮りに行くことは難しいかも知れない。 

 

(俳誌 樺の芽 201611月号)

写真(1)シュムシュノコギリソウ(利尻山頂上で)

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(2)エゾノコギリソウ(礼文島で)

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(3)アカバナキタノコギリソウ(利尻島で)

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コメント

浅田次郎って、人を泣かせるのが、好きですよねぇ。

赤いノコギリソウというのは、私の知識の外でした。

ノコギリソウ、こちらでは、赤に近いピンクもあったりします。
キタノコギリソウのアカバナなのか、アカバナノコギリソウなのか、ちとわかりません。

浅田次郎、号泣が予想されているので 病院とかで読むのは控えています。

大丈夫!三眺山まで行こう! そしてシュムシュノコギリソウにまた会って来よう。
やっぱ花は北方の花だねえ。カムチャッカに行きたい!泣かされる作家、浅田次郎、山本周五郎、藤沢周平、決して人前では読まない。悲しいことがあった時に読んで、
本にかこつけて泣く?うっそお、私はそんなに素直になれなくなったのかなあ。

そうです。
病院の待合で読んでいて号泣してしまいました。読む本、間違ったら大変です。
北方の花は、色が濃いと本に書いていました。

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