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(11)~(20)

2015年10月15日 (木)

(20)沢桔梗(サワギキョウ)

サワギキョウ(沢桔梗)(キキョウ科) 花期8月~9月ごろ  

もう、10年ぐらいも前のことですが「車椅子観察会」と、言うのをパークボランティアの行事として実施したことがある。

幌延町の特別老人施設に入居している方、ディーサービスで通所している地域の方が参加してくださった。

木道が込み合う観光の最盛期を避けて秋の始まりの頃にやったときのこと。

私の担当した車椅子の人は80代の女性でした。

なんと、下サロベツの国立公園のビジターセンターの近くに住んでいる人でした。

「やぁ、この風、気持ちいいねぇ」と、何度も言って「この紫の濃い色の花の名前、なんていうの?」と、聞いてきた。

「サワギキョウと言います」と、言うと「サワギキョウかぁ、私は、紫の濃い色の花が好きでねぇ。毎日、働くばかりで 名前なんて知ろうとも思っていなかった。サワギキョウかぁ。この濃い紫、いいよねぇ」

農家の主婦ってそんなものかも知れない。でも、こんなときにでも 花の名前を知ったことが嬉しそうだった。 こんなにも たった一つの花のことを感慨深そうに つぶやいてくれたのが印象的でした。

観察会を企画して本当によかったと思いました。この花も思い出の花になった。

(俳誌 樺の芽 2014 11月号)

↓(1)サワギキョウ(幌延町)

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(19)蝦夷萱草(エゾカンゾウ)

エゾカンゾウ(蝦夷萱草)(ユリ科) 花期 6月中旬~7月上旬

サロベツ原野を代表する花です。エゾゼンテイカ、ニッコウキスゲとか多くの名前で呼ばれていますが、私は、エゾカンゾウと呼ぶのが一番好きです。

例年なら、6月下旬にもなると海岸線はエゾカンゾウの中を走るようなものです。

原野の方は 海岸よりは少し遅く開花します。

どちらも開花期は、それは・・・それは・・・一面にオレンジ色に染まり、その中を歩くときは「天国への道なのでは?」と、思うぐらいなのです。

そんなエゾカンゾウですが、さっぱりのときもあります。

大群落の爆発的に咲くのは、隔年と言われています。

当たり年のときはいいですが その裏年は せっかく来ていただいたのに・・・と「ごめんなさい」と言いたくなるほどなのです。

昨年は、さっぱりだったから 今年はいいぞ!と、思っていても 春先の低温、その年の積雪量、遅霜などの影響もあり連続して駄目な年もあります。けっこうデリケートな花です。

また、その反対のときもあります。今年も驚きました。

3年続けて それはそれは・・・勝ち誇ったように咲きましたよ!

エゾカンゾウは、朝に咲いたら夕方には閉じる一日花といわれていますが、気温の低いときは、二日ぐらいは咲いています。

条件のよい年は 一本の苗に10個ぐらいもつぼみをつけているのもあります。その花が終わると 原野は一気に寂しくなります。

<サロベツの彩として揺れえぞかんぞう>2011年

(俳誌 樺の芽 2014 10月号)

↓(1)エゾカンゾウ(豊富町)

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2015年10月11日 (日)

(18)草連玉(クサレダマ)

クサレダマ(草連玉)(サクラソウ科) 花期8月~9月ごろ

観察会のときの説明で「これはクサレダマです」と言うと「え?」と聴き返えされます。

どうも「腐れ玉」を連想させてしまうらしいのです。

可愛い上品な花なのに 本当に可哀想な名前です。

名づけ親は誰?と、いつも言いたくなります。

名前の由来は、マメ科のレダマと言う花があるらしいのです。

それに花の色が似ていると言う説と、花が、終わったら丸い実がつきます。それが連玉のようだからという説もあります。

どうして「レダマグサ」にしてくれなかったのかと思うのです。

このように、ネーミングが可哀想な植物は ほかにもけっこうあります。

お盆も過ぎると 控えめな黄色の花は、背筋を伸ばして すっくと咲きます。

秋の紅葉した「実」も、人気があります。

いつも、ネーミングのセンスを疑いながらも「ね?これ連玉のようでしょう?」と、無理やりフォローしてやりたくなるのです。

(俳誌 樺の芽 2014 6月号)

↓(クサレダマ)(豊富町)

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↓(2)クサレダマの実(豊富町)

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(17)蝦夷蒲公英(エゾタンポポ)

エゾタンポポ(蝦夷竜胆)(キク科) 花期5月~6月ごろ

北海道、特に最果ての稚内には、エゾタンポポとセイヨウタンポポがあります。

在来のエゾタンポポは、本当に探すのも大変なぐらい少ないです。

あの繁殖力旺盛のセイヨウタンポポに駆逐されてしまったのかも知れません。

私の子供のころ(もう65年以上も前)は、そんなにも真黄色な絨毯を敷いたような花畑にはなりませんでした。

酪農が盛んになるにつれ、輸入の牧草の種子の中に紛れていたのではないかと推察されていますが 年を追うごとに蔓延って行きました。 

そんなことも知らずに黄色の野原で首飾りを作って遊んでいた「野を駆ける少女」。

クレヨンの黄色が減ってゆく、絵に描いたような昔。

10年ほど前に、セイヨウタンポポと違う 苞の外片が反り返っていないエゾタンポポの咲いている場所を2箇所見つけたときは嬉しかったです。

稚内市民にも、この現状を把握し認識していただきたく、そのエゾタンポポを見るための観察会を企画・実施しています。

株数もカウントしています。

在来のタンポポは日本全体でも減少しているらしいのです。   

今、タンポポと言えば それはセイヨウタンポポ。

誰にも馴染みの黄色い景色。自然の成り行きには勝てないものがあります。

(俳誌 樺の芽 2014 5月号)

↓(1)エゾタンポポ(稚内市)

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↓(2)セイヨウタンポポの大群落(稚内市)

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2015年10月 7日 (水)

(16)蝦夷竜胆(エゾリンドウ)

エゾリンドウ(蝦夷竜胆)(リンドウ科) 花期8月~10月ごろ

野の花を、思いつくまま順不同に紹介している私ですが 一番好きな花と聞かれれば 迷わず竜胆と答えます。

幼いときから身近にあった蝦夷竜胆の個性的な花弁に「なんて、変わった花なんだろう」と思ったものです。

ほかの花とは違って花弁が筒状になっているのを、不思議に思ったものです。

しっかりとした茎も好きです。色の濃さにも魅せられます。

この花こそ、今、NHKで放映の「大河ドラマ」・八重の桜」のヒロイン新島八重の異名「ハンサムウーマン」のイメージではないでしょうか?

よく桜の咲く頃に逝きたいものだと言いますね。私は、この竜胆の咲くころに旅立ちたいものだと 密かに思っているのです。

こよなく竜胆を愛する私、こんな句を作ってみました。

<竜胆の野ごと供へて英子の忌>英子

<思ひ出は色濃く咲きぬ竜胆忌>英子

(俳誌 樺の芽 2014 1月号)

↓(1)エゾリンドウ(稚内市)

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(15)蝦夷河原撫子(エゾカワラナデシコ)

エゾカワラナデシコ(蝦夷河原撫子)(ナデシコ科) 花期7月~9月ごろ

最果てに自生しているのは、殆どが蝦夷河原撫子です。花弁の先の細かい切れ込みが特徴的です。山道などでこのピンクの花を見つけると 微笑み返しをしたくなる花です。

大群落になるのは、砂地の方が多いです。その大群落には、たくさんの揚羽蝶も舞います。  蝶もまた好きな花なのでしょうね。その花野で写真を撮るのが至福のときです。

撫子は、万人に好かれる花だそうです。子を撫でると言う字もいいですね。

大和撫子の語源は、中国の石竹が唐撫子と言うのに対して 日本のものを大和撫子とした、と、あります。

長い間、日本女性の清楚で淑やかな代表の花を、何故、撫子なの?大和百合とか大和菊は駄目なの?単なる語呂がいいから?と、くだらないことを考えていた私でした。

美しく、凛として そして男を立てる?大和撫子。その女性像は 今の日本では絶滅危惧種ではないでしょうか?

なでしこのイメージは、女子サッカーの「なでしこジャパン」かな?

(俳誌 樺の芽 2014 1月号)

↓(1)エゾカワラナデシコ(稚内市)

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↓(2)エゾカワラナデシコの群落(猿払村)

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(14)蝦夷野紺菊(エゾノコンギク)

エゾノコンギク(蝦夷野紺菊)(キク科) 花期8月~10月ごろ

一般的には「野菊」と、呼ばれていると思う。北海道なら 何処にでもあると思う。

薄紫の素朴な花は、秋の野道を彩る。

だが、よく見ると それは、北アメリカ原産の「ユウゼンギク」であることが多い。

友禅菊と言うだけあって色も変化があり美しく この花の方が、ノコンギクより草丈も高いので目立つ。

見分け方は、エゾノコンギクは葉も幅が広く葉の縁がギザギザしている。

ユウゼンギクは葉が細く光沢がある。花は、よく似ている。

野紺菊も、子供の頃からの馴染みの花だ。この花の咲く道を遠足に行った記憶がある。

今の子供達にも こう言う在来の花が思い出の花になって欲しいと思う。

ユウゼンギクとの違いを調べたり、在来種のことや外来種のことを知ったりすると もっと思い出に残ると思う。

素敵な原風景を持っている人は、一生の宝箱を持っているようなものだと思う。

<野紺菊こころは揺れず此処に咲く>2010年作

 

(俳誌 樺の芽 2013 11月号)

↓(1)エゾノコンギク(稚内市)

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(13)野花菖蒲(ノハナショウブ)

ノハナショウブ(野花菖蒲)(アヤメ科) 花期6月~7月ごろ

サロベツには、3種類のアヤメ科の花が咲く。

開花順に長女カキツバタ、次女ヒオウギアヤメ  三女ノハナショウブと言いながら観察会のときおぼえやすく解説する。

このノハナショウブはアヤメ三姉妹の中では一番最後に咲き、長女、次女が散ってから咲くので判りやすい。

花の色も赤紫で、基部には鮮やかな黄色い線があり 美しさを際立てる。    

サロベツ原野では、7月ごろ一面に咲いて 訪れる人の目を楽しませる。

園芸の花菖蒲の原種でもある。

私には、20歳年上の友人がいた。このノハナショウブが一番好きだと言っていた。

この花が咲くと 私は いつも彼女を誘って原野に行った。 野の花をこよなく愛す大先輩の友人。 6年前からは、彼女のことを過去形で語らねばならなくなったことが悲しい。

やわらかな笑顔の彼女は 本当に野花菖蒲のような人だった。 今年も、赤紫の花の原野に一人佇む私です。

 

(俳誌 樺の芽 2013 11月号)

↓(1)ノハナショウブ(豊富町)

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↓(2)ノハナショウブの群落(豊富町)

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2015年9月24日 (木)

(12)礼文薄雪草(レブンウスユキソウ)

レブンウスユキソウ(礼文薄雪草)(キク科) 花期7月~9月

この花も、礼文島を代表する花です。礼文島でも、極めて風の厳しい岩場の斜面に 他の花が咲かないようなところに群生しています。

それも、そのはずヨーロッパアルプスの高山に咲くエーデルワイスと近縁種なのですから。

このエーデルワイスと言う名を聞いただけでも 一目会いたくなる憧れの花です。

礼文は、霧が多いのですが そんな時もがっかりしないで下さい。

霧に濡れた薄雪草は、晴れた日の薄雪草よりも詩情溢れる姿で素敵ですよ。

優しい白で気品のある星のかたちの花は 特に、女の人に人気があります。

この花も、花弁のように見える部分は葉の変化したものです。地味な花は虫を呼ぶための作戦があるものなのですね。

秋になっても まだ、咲き続けているように見える枯れない姿は応援したくなります。

<花濡らす霧もまたよし礼文島>2011年作

(俳誌 樺の芽 2013 9月号)

↓(レブンウスユキソウ)(礼文島)

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(11)礼文敦盛草(レブンアツモリソウ)

レブンアツモリソウ(礼文敦盛草)(ラン科) 花期6ごろ

礼文島にだけしかない固有種です。 このオンリーワンであるがゆえの悲劇の花になってしまったのは、折からの「園芸ブーム」です。

珍しいものは高い値がつきます。それにともなって盗掘が多くなって行きます。

二十年以上も前になりますが 希少種でもあり、天然記念物に指定されていることから 礼文島の北部にある群生地は防止柵が設けられ 開花期は24時間監視されています。

種の保存法で、人工増殖もされています。有志による盗掘パトロールもされています。

何よりも「盗掘は悪だ」という意識改革が誰にでも芽生えてほしいと願わずにはいられません。

まあるいピンポン玉ぐらいの大きさの花は、柵の中からですが ふっくらと微笑んでくれています。

やはり礼文にあってこそのレブンアツモリソウ。 どなたかのお庭にあるよりは数段美しいです。

毎年、開花期は船に乗って会いに行く私です。

(俳誌 樺の芽 2013 9月号)

↓(レブンアツモリソウ)(礼文島)

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