無料ブログはココログ

(1)~(10)

2015年9月24日 (木)

(10)菫(スミレ)

スミレ(菫)(スミレ科) 花期5月~6月ごろ

美しい花と言うより 可愛い花。この花も万葉の頃から 可愛い女の人の代名詞にもなっていたようです。この花の名前の語源が 大工さんの使う「墨壷」(墨入れ)に、花のかたちが似ていると言うことでついた名のようです。

<山路来て何やらゆかしすみれ草>芭蕉

<菫程な小さき人に生まれたし>漱石

昔から、短歌にも俳句にもよく詠まれて来た菫。春の季語だが 私はあまり菫の句は作らないなぁ。

可愛い花に嫉妬しているのかも知れません。はい、可愛くない私です。

スミレは、とても種類が多く 私の見つけているだけでも たくさんある。

スミレ、ミヤマスミレ、タチツボスミレ、オオタチツボスミレ、オオバタチツボスミレ、アナマスミレ、アイヌタチツボスミレ、ツボスミレ、フイリミヤマスミレ、あぁ、まだまだある・・・。

(俳誌 樺の芽 2013 6月号)

↓(スミレ)(稚内市)

10_600

↓(ミヤマスミレ)(稚内市)

102_580

(9)露草(ツユクサ)

ツユクサ(露草)(ツユクサ科) 花期7月~9月ごろ

畑のふちや道端に咲く深い碧色の花、露草。一見、雑草のようであるが 写真映りのいい花で つい撮りたくなる。女の人の「好きな花」の中に この花は上位を占めるぐらい魅惑的な花。

それは・・・他の花には無い紺碧の色にあると思う。雄蕊の黄色とのバランスも まことにいい。万葉の佳人たちが 露草に寄せて一途な恋心を詠った気持ちも わかる気がする。

別名をツキクサ(月草)と、言う。染料にも使われていて よく色が着くことから(着草)とも書く。

朝露に濡れて咲くから「露草」。もう一つ「蛍草」とも言う。どの呼び名もロマンティックだ。

(俳誌 樺の芽 2013 6月号)

↓(ツユクサ)(稚内市)

09_600

2015年9月22日 (火)

(8)水芭蕉(ミズバショウ)

ミズバショウ(水芭蕉)(サトイモ科) 花期5月~6月ごろ

湿原の貴婦人とも言われている水芭蕉だが、そのイメージが壊れそうな「ヘビノマクラ」とか「ベゴノシタ」などと言う別名で呼ばれている。

歳時記では夏の季語になっているが 北海道では 雪が消えたらすぐに 湿地や谷地で、白い群落になっているのが見られる。 本州では この花が咲いているような湿原が 標高の高いところにあるせいだと言われていて まさに「夏の思い出」の花なのだろう。

私は、つい春の季語として詠んでしまう。

実は、花びらかと思われている 白い部分は葉の変形したもの(仏炎苞と呼ぶ)花は基部から出ている棒状になっている部分に小さく黄色く並んでついている。

白粉のような匂いがする。 白い葉の部分は、目立たない花のために 虫を呼び寄せるた

めのものらしい。 神秘的な理由だ。

<水あらば雲の化身の水芭蕉>2013年作

(俳誌 樺の芽 2013 3月号)

↓(1)ミズバショウ(稚内市)

081_600

↓(2)(ミズバショウの群落)(稚内市)

082_700

(7)黒百合(クロユリ)

クロユリ(黒百合)(ユリ科) 花期6月ごろ

♪くろゆりは~恋の花ぁ~と言う唄があった(かなり古いが)

この唄のおかげか、黒百合は神秘的なイメージとロマンが漂う花だ。

いかにも北海道らしい花ではある。

だが、その北海道なら 何処にでもありそうな花なのに なかなか自生のものは 目にすることが出来ない花になって来ている。

私の子供の頃は 学校で「黒百合の花が咲いたよ。明日、採りに行こうよ」と誘い合ったものだ。なんて のどかないい時代だったのだろう。

あんなにも たくさん咲いていた自生地は そのうち牧草地になってしまった。

小学の低学年ながらも悲しかった記憶がある。

九州の友人が北海道の旅の思い出に この球根を買って行ったが 暑い地方では育てるのが難しいみたいだ。

やはり北海道ならではの花なのだろう。なぜか、ホッとした。

 

(俳誌 樺の芽 2013 3月号)

↓(黒百合)(稚内市)

07_650

2015年9月18日 (金)

(6)鳥兜(トリカブト)

トリカブト(鳥兜)(キンポウゲ科) 花期8月~9月ごろ 

トリカブトの種類は たくさんあって なかなか分類は困難だ。 北の果てに多いのは トリカブトの仲間のカラフトブシ(樺太附子)。 八月の末ごろに ちょっと田舎道を行くと何処にでも咲いている。この花を目にすると「ああ、秋になるんだなぁ」と寂しくなる。

利尻や礼文には カラフトブシの変種の「リシリブシ」(利尻附子)がある。利尻は 山に登らないと なかなか見られないが 礼文では平地の桃岩遊歩道を濃い紫色にする。

有毒なのに蜂がよく来る。蜂蜜は大丈夫なのかなぁと ちょっと心配になる。

ヤナギランが下の方から咲きのぼって行くけど トリカブトは上の方から順に下に向って咲く。 これも面白いと思う。

春の若芽がニリンソウと間違って食べられ 死亡事故も起きている。

ニリンソウは 白い花ですよ。蕾もついているはずだから 蕾のないのは食べないようにしてくださいね。

(俳誌 樺の芽 2013年 1月号)

↓(1)(カラフトブシ)(稚内市)

062_600

↓(2)(リシリブシ)(礼文島)

0625_680

(5)エゾニュウ

エゾニュウ(蝦夷ニュウ)(セリ科) 花期6月~7月ごろ

草丈3メートルにもなるエゾニュウ。北海道なら何処にでもあると思う。 ピンポン玉の大きさの花が集まって バレーボールぐらいの径の頭花になる。  本州などから来て 初めてこの花を見た人は「花とは思えない」と、驚いたりする。

この花がずらりと並び 荒れる海に背を向けて立つ姿は さながら「北の防人」。

そのダイナミックさは北海道の夏の景色を作る。また、枯れても倒れない姿もドサンコっぽい。私は、枯れた姿を好んで撮る。

ニュウとは「アイヌ語」だと言われているが、名前の由来は不明だ。  

茎は節があるものの空洞だ。若い茎は食用にもなる。塩蔵しておいて冬に食べる。蕗よりもクセがなく 煮物や油いためが美味しい。貯蔵好きの私だが これはなかなか上手に出来ないでいる。

 

(俳誌 樺の芽 2013年 1月号)

↓(1)(エゾニュウと)利尻山(稚内市)

06122_700_2

↓(2)(真冬のエゾニュウ)(稚内市)

062_650_2

2015年9月15日 (火)

(4)柳蘭(ヤナギラン)

ヤナギラン(柳蘭)(アカバナ科)花期7月~8月ごろ

ヤナギランは、「ラン科」の花ではない。ヤナギとあるのは葉の形が 柳の葉に似ていて細く長いからだ。

北の果てでは、どこにでも咲いている。 「アラスカではヤナギランが尖まで咲き登ると雪が降る」と、昔 何かの本で読んだことがある。

それは「アラスカ物語」(新田次郎)だったかな?と 最近読み返してみたが そんなことは何処にも書いてなかった。でも、やはりアラスカでは真っ赤に咲き群れていて 主人公のフランク安田は、故郷の宮城県石巻で「客花」と呼んでいたのを思い出したと、ある。 この本を読んでから 私はアラスカでヤナギランを見てみたいと思い続けて来た。

稚内でも あちこち 何処にでもこの花は咲く。 赤い群落を見るとアラスカでも咲いているのかなぁと いつも思う。身近な花が異国にもあると言うことが、なんか嬉しい。

アラスカは森林火災が多いらしい。その跡地に咲き群れることから「ファイヤーグラス」(火の草)と呼ばれている。

(俳誌 樺の芽 2012 10月)

↓(ヤナギラン 稚内市)

04_600_2


(3)捩花(ネジバナ)

ネジバナ(捩花)(ラン科) 花期8月ごろ

私の花好きは 母の影響もあるだろうが「捩花」、この花から始まっている、と 言っても  いいと思う。

 8月の末ごろになると 我が家の牧場のあちこちに小さなピンクの花が咲きはじめる。

幼いころ「ねじり花」と呼んで妹たちと競って集めたものだ。(注)(モジズリとも言う)

小さな手には すぐにいっぱいになる。 一本でも、妹たちより多く採りたい長姉の私。

たまに白花もある。それを見つけるのも手柄のように喜ぶ幼い姉妹たち。

母は、その花を「これは、ネエちゃんの」「これはマッコの」「これはヨッコの」と言いながら、  それぞれの、別の小瓶に挿して台所の窓辺に並べて飾ってくれた。

幼い日を想い出すとき、いつもこの花を摘んだ姿がある。

この花を見つけると すぐに幼い日の光景が現れる。

数十年も経っているのに 妹たちも同じ想い出の中にいるみたいだ。

その牧場には、もう行くことはない。実家は25年ぐらい前に離農した。

私の故郷を恋う俳句も多くなった。

<ねじり花姉妹にありぬ幸不幸>1988年作

(俳誌 樺の芽 2012 10月号)

↓(ネジバナ 稚内市)

03_600_3

2015年9月14日 (月)

(2)千島竜胆(チシマリンドウ)

チシマリンドウ(千島竜胆)(リンドウ科)花期8月~9月

野の花好きの友人がいます。(HNは、ちるままさん) 特に「チシマ」とか「カラフト」と言う名前にすばやく反応します。 それは、彼女は樺太生まれだからのようです。

まだ幼いときに羽幌に引き揚げてきたから あまり樺太の花のことなど知らないようだが 同じ樺太生まれのお母様がよく話してくれるそうです。 きっと樺太も、礼文島のように どこにでも花がいっぱい咲いている島なのでしょうね。

その花の思い出をたどるべく 昨年、チシマリンドウが咲く頃 礼文に一緒に行ってきました。 彼女は初めて見た可愛い小さな花に大喜び。いっぱい撮っていた。

今年86歳になるお母さんに親孝行できると喜んでいた。

ちるままさん 今度、シュムシュノコギリソウを見るために利尻山に登ろうよ。

礼文には、カラフトハナシノブ、カラフトゲンゲ、カラフトイチヤクソウ、チシママンテマなど樺太と同じ花なのか いっぱいある。

今、樺太(サハリン)のことを語れる人は少なくなった。

<サハリンが見へて草の実しごかるる>1990年作

(俳誌 樺の芽 2012 9月号)

チシマリンドウ(礼文島にて)

02650_2

0221_680_2

2015年9月13日 (日)

(1)蝦夷山萩(エゾヤマハギ)

エゾヤマハギ(蝦夷山萩)(マメ科)花期 8月~9月

 いつも庭いっぱいに色とりどりの花を咲かせている 90歳を過ぎた母。

「母さん、 一番好きな花はなあに?」と、聴いてみた。迷うことのないような口調で 「山の萩だねぇ」遠くを見つめるような目で答えた。

意外な花の名だった。他村から嫁いで来た母にとって 寂しいことも辛いこともあったのだろうか。 盆も過ぎると 野草を刈るために山道を行く。その山の斜面を薄紅色に染めて咲く山萩が いつも慰めてくれたそうだ。「だから、この花が大好き。可愛い花だよね」と、言う。そーかぁ、あの山道は、子供だった私も知っている。私も「綺麗だなぁ」とは思っていた。

花と言うものに そんな力があるもものなのかと言うことも初めて知った。

今年の十月には その母の一周忌を迎える。 蝦夷山萩は 私にとって特別な花になった。

北海道なら たぶん何処にでもある花だと思う。 昔、この枯れ枝を束ねて 竹箒ならぬ萩箒を作って庭を掃いていました。 今は、誰もそんなことやらないでしょうね。 枯れ萩を見つけるといつも懐かしくなる私です。

<萩のみち故郷こぼれてゐたりけり>1989年作

(2012 俳誌樺の芽 9月号)

↓(エゾヤマハギ)(稚内市にて)

01_600_2


その他のカテゴリー